東雲の刻に残夢を浮かべ

砂を積むように生きていく

損して得する(?)

病気


私は精神疾患を持っていますが、例えば風邪をひいたら熱が出て咳が止まらず等々

大体は「損」になりますよね。

症状はつらい、仕事に行かれない。


どんな病気でも同じです。

それぞれに、つらさがある。



今回は、そんな病気の症状で「得」をしたエピソードを書こうと思います。


私は以前、高齢者介護の仕事をしていましたが、発症により退職。

気分が不安定なままケアをするのは、利用者さんにとって危険ですから。


最近まで勤めていた職場は、同じ老人ホーム。

ただ、職種が違いました。

直接的に関わる介護職ではなく、入居者さんのベッドのシーツ交換と居室の掃除。

この職種にした理由は、「介護職よりは気軽に休めるから」です。

介護職は1日単位で回していきますが、こっちなら1週間単位です。同じ「休む」でも、他のスタッフさんへの負担の大きさが違います。



さてさて、「気軽に休める」職種でのエピソード。

施設全体で、私の病気を理解して下さるスタッフさんが多くいました。

特に上司と施設長。お二方には今でも頭が上がらない程に感謝しています。

ある時、上司が施設長に掛け合ってくれました。

○○(私)の午後、デイと特養に行かせても良いですか?」

私が介護職をしていた事を踏まえての提案でした。そして施設長、快くOKをして下さいました。



長々と経緯を書きましたが、ここから。



デイサービスでの日、(確かこの曜日って、帰宅願望の方が来るよな)と思いながらデイフロアーの扉に近付くと、デイのリーダーさんがその方の対応をしてましたやっぱり


○○さん!来てくれたんですね!またお会いできて嬉しいですよー!」と、長々ご挨拶をしながらリーダーさんに(代わります)とアイコンタクト。


さて、今日はどう来る

と、相手の出方を伺う為に、まずは傾聴から。


私「どうしたんです?こんなはるばる出口の方まで」

利「それがな、仕事が心配でよぉ。俺一人で来ちまったから。」


ほぉ。今回は「仕事が心配」な訳ね。

で、誰と仕事してたんだ?


私「確か○○さんの仕事仲間って

利「仲間っつうか、セガレが継いでるからよ。」


貴重な情報、ありがてえ。

と、ここで私は自分の携帯電話を取り出す。


私「もしもし、私です。○○さんですか?今、隣にいらっしゃいます。息子さんからの伝言ですか?はい、承ります。はい!ありがとうございます!」全て独り言

私「○○さん、息子さんから私宛にお電話貰って。今日はひとりで大丈夫、お父さんはゆっくりしてってくれって。」と、嘘八百。

利「そうかそうか!あいつも立派だなぁ。ありがとう!今日は休むか!」



一部始終、リーダーさんに見られてました。

そして、ホントありがとう〜と。笑いながら感謝されました。(笑)

後日、上司からも「流石だな!」と感謝され

施設長からは「デイに異動する?(笑)」とまで言われ。


正直、このエピソードに関しては病気で良かったなと思います。


私が病気を持っていて、リーダーさんが気に掛けてくれていたから、上司や施設長まで話が伝わった。


そもそも病気がなかったら、こんな機会すらなかった。


色んな要素が積み重なった結果ですが、恵まれてラッキーだよな〜と、今思い返しても、そう思います。


つらい時も多いけど

精神疾患も悪いもんじゃないな〜。

おさらい

皆さま、お久しぶりです。

長らく投稿できていませんでしたが、再会・再開です。

今回は私の病気について、おさらいしようと思います。


病名は伏せますが、大きく分けて2パターンの病状があります。


気分が沈み、何もしたくなくなる状態があると思えば、


イライラが止まらなくなったり、ひたすら食べ続けたり(望んで食べている訳ではない)。


両者共に、厄介です。

本当に厄介です。


ただ、後者の興奮状態(?)の時は

思考力が物凄く活発になります。


それを表現するのが難しいのですが

例えば、子供向けの教育本で「数字を繋げよう」と言った問題があるとします。

と言った具合です。


これの、論理バージョン?


普段は点でしか存在しない物が、見事なまでに線で繋がる。矛盾なく。

紙とペンを使わずに、数学の証明問題を正解するようなものです。

ラプラスの魔になった気分。


「ずっと、その状態なら最強じゃないか!」

いえいえ、ツケが回ってきます。


先程書いた状態が、交代するのです。

アップ、ダウン、アップ、ダウン


最近は、多少辛くても低空飛行を続けることが楽だな〜と思ってきました。


よく「病気を飼い慣らす」と表現されますが、私なりには「病気と共存する」の方がしっくりくるかな?と思います。

透廊に春一番を呼び込んで

皆さま、こんにちは。



先日、2年間勤めた職場を辞めました。

理由は、持病(統合失調症)のうつ状態が酷く、療養の為です。


退職する際、上司からも同僚からも

「いずれはまた復帰してほしい。」

と言われ、嬉しいような申し訳ないような複雑な気持ちです。


先ずは、この病気と向き合い、上手く付き合うことが当面の目標です。



しかし、本当に恵まれたと思いました。

休職する際には、施設長から

「たとえ1時間でも来て欲しいよ。」

と言って下さり、退職する際にも

「いつでも戻ってきてね。」

と暖かいお言葉を頂きました。


「精神疾患持ちの人材を、こんなにも必要としてくれている」

偏見や差別が未だに運びこる今の世の中にも、幅広い見方を持って下さる方がいることに、勇気付けられます。



今は心の中に木枯らしが吹いていますが

いつかは小春日和になると信じ、生きていきます。